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技術革新大賞

技術革新大賞は、日本グリーンハウスクリーニング協会がハウスクリーニング、ビルクリーニングにおいて多大な功績を成した者に授与される賞です。

協会では技術革新の大きな目標を掲げています。
「こすりゼロ」です。
従来のクリーニングは「こする」という作業が主でした。フロア清掃に使う器具にポリッシャーというものがあります。ポリッシュとは磨くという意味です。ポリッシャーとは研磨器具ということになります。研磨とは「こする」ことです。クリーニングの基本は「こする」ことにあるといっても過言ではないでしょう。
なぜ、「こすりゼロ」を目標に掲げているのか、それは、こするという作業そのものが肉体労働の象徴となっているからです。日本で本格的なハウスクリーニング・ビルクリーニングの歴史が始まって半世紀以上経っています。50年以上経っているにも拘わらず「こすり」作業がメインな仕事になっています。こすり作業によって腕が「疲労により上がらない」というスタッフの方と会うことがあります。
技術は進歩しなければいけません。
技術の進歩は人を肉体労働から解放します。進歩しないものは技術とは言えません。50年以上も「こする」という作業をし続け、これだけの長期間なんら根本的な技術革新が起きていないということは、技術者としてとらえたとき、非常に残念なことです。
協会では、この課題に正面から取り組みます。こすりゼロに近づくことこそ高技術と位置づけています。こすりゼロを永遠のテーマとし、技術革新にチャレンジして欲しいものです。
協会では、こすりゼロ以外にも、汚水ゼロ、CPフリー(化学毒性ゼロ)にも取り組んでいます。

【1】地球環境にダメージを与えない
【2】人体に影響を与えない
【3】高度なクリーニング技術を持つ

この3つの柱を大きな課題としています。
毎年一度、審査を行います。発表は10月末。
大賞受賞者には表彰状と賞金が授与されます。
対象は協会会員、一般を問いません。
自薦他薦を問いません。
液剤分野、器具分野を問いません。
多くの方々の応募を期待します。
革新内容をレポートにしてメール、FAX、郵送下さい。
詳細は、お問い合わせ下さい。

日本グリーンハウスクリーニング協会
代表 岡崎 忠則

2015年度技術革新大賞 特別賞

氏名 玉川広志
ワンラップコート鵜の木
住所 東京都大田区
功績  玉川氏はアトピーの発症原因の一つに洗剤があることを知り、洗剤を扱うプロの立場から「洗剤とアトピーの関係」を地域の人たちに知ってもらおうとセミナーをスタートさせた。第一回目は2014年12月。それから1年間、セミナーは毎月一回続けられた。現在も行なわれている。セミナーは会を追うごとにアトピーの発症原因が掘り下げられ、その全体像が解明された。同時にステロイドがアトピー以外の花粉症、鼻炎、ぜんそくなど全てに使われていることが判明した。セミナーでは、発症原因の分析と解明だけに終わらず、アトピーの人たちを苦しめている痒みと炎症に重曹が有効であることを実証。この情報はステロイドを使いたくないという人たちにとっては大きな福音となった。
・1年間継続してセミナーを行なってきたこと
・実際にアトピーで苦しんでいる人たちの救いとなっていること
・地域に根差した奉仕活動になっていること
・ハウスクリーニングという職業にありながら清掃とはまったく異なる分野での貢献を成し、業界の地位向上に寄与したこと
・業界で働く人たちに希望を与えたこと
・グリーンハウスクリーニングの技術を修得、地域の人々を液剤による残留化学物質から護っていること
玉川氏の成した功績は大きい。

技術革新大賞・特別賞を受賞して
 ワンラップコート鵜の木の玉川広志です。今回の受賞、率直な感想としてとても嬉しく思います。「まさか、自分が・・・」という思いです。私が1年も継続してセミナーを開催できたことは、日ごろお付き合いさせていただいている地域の皆様や協会の皆様の協力があってこそです。とても私一人の力では一年もセミナーをやる続けることはできませんでした。この場を借りて感謝申し上げます。 セミナーを始める一年前、日本グリーンハウスクリーニング協会の代表岡崎氏から「一年続けたら全く違う世界になっているよ」と言われました。今、それを実感しています。本当に一年前とは全く違う世界になっています。ですが、そのとき予想していたものとは違っています。「自分自身の内面の変化」が大きく起きたのです。セミナーを通じて、自身の進むべき方向性が分かり、自信が持てるようになりました。重曹、炭酸塩システムの可能性について確信が持てるようになりました。たくさんの情報に触れた時、情報を判断するモノサシを持てるようになりました。2016年は2015年の実績をもとにさらに地域の人たちに貢献できるよう努力していきたいと思います。

2013年度技術革新大賞

氏名 田口靖宏
住所 東京都新宿区
功績  2011年に誕生した汚水処理技術‘Crio(クリオ)は、作業後に現場で汚水分離を行い、汚水中の有機物を分離して焼却処理し、透明になった水はそのまま排水するという技術であり、しかも分離作業を量の多少にかかわらず5分で行うことを目指すという画期的なものだった。しかし、投入した分離薬剤を手作業で撹拌するという作業が、汚水の量が多いと大きな負担になるということが実際に分離作業を行っている人たちの声から分かってきた。手作業撹拌を機械化できないだろうか。そうすればもっと楽になるのに・・・、そう思い、実験研究を始めたのが干トム・コネクション(東京都新宿区)の田口靖宏氏である。田口氏は現場で出た汚水を家にまで持ち帰り、分離の研究をしていた。毎日、毎日撹拌をやり続けていた為に腱鞘炎が起きるまでになり、仕事に支障がでるほどだった。そこで彼が考えたのが、機械で撹拌できないだろうかということだった。Crioという技術に合った機械の考案だ。試作機を作る、試してみる。試作機を作る。、試してみる。改良に改良を重ねた。誰でも簡単に扱えて、少量でも大量でも使える。気が付くと4号機まで進化していた。同氏の研究で汚水分離の機械化、自動化の道が拓けた。汚水処理は年々深刻な問題として私たちの業界に着きつけられてくるでしょう。単に液性を強アルカリから中性にしましたという中和処理だけでは許されない時代が近々やってくると予測されます。機械化、自動化の技術は業界に大きく貢献するでしょう。
 技術革新大賞を受賞して
   潟Aトム・コネクションの田口靖宏です。私は、常日頃より汚水処理について罪悪感を持っていました。しかし、どうすることもできませんでした。そんな悶々とする中、Crio(クリオ)という汚水処理技術を誕生させたと聞き、「これは良いものが出てきたなぁ」と注目していました。早速、その技術を教えてもらい、それに必要な薬剤を会社に購入してもらい習得すべく毎日のように薬剤を入れてはかき混ぜ、分離、濾過、という処理をしていました。毎日毎日かき混ぜるという作業をやっていましたので次第に手が疲れてきて、手首が痛くなってきました。「これは、まずい、仕事に影響してしまう」と思い、何とかもっと楽な方法は無いだろうか、そう考えて考えて出てきたのが機械による汚水分離です。従来の汚水分離は手作業で行っていましたので、その部分を機械化することに取組みました。私はその機械に「ATM」と名づけました。Aはアトム、Tは田口、Mはマシンを表します。 ATMの第一号はインパクトドライバーを使っての機械化です。これなら持ち運びもできていつでもどこでも簡単に分離できると思いました。インパクトの先に調理用の泡立て器を取り付けてバケツの中の汚水をかき混ぜてみました。さて、どうなったでしょうか。泡が大量に発生し、泡だらけになってしまいました。汚水に含まれている洗剤成分が泡を発生させたのです。「ん〜、どうしようか。何とかならないのかな。参考になるものは・・・。そうだ、回転といえば洗濯機があるじゃないか」、そう気がつき、洗濯機をじ〜と観察していました。すると底の回転をみているうちに閃きました。CDレコードです。バケツの底から回転させれば、全体的にむらなく、しかも泡の発生も少ないことを発見しました。こうしてできたのがATM1号です。しかし、この1号機には欠点がありました。それは電池があまり持続できないということです。そこで、次に取組んでできたのが2号機です。それは扇風機の回転原理を応用し、3段階に回転力を調整できるものです。この機械も大変な苦労をして作りました。この機械の長所は分離しているときに両手が自由に使えることです。汚水の状態を見ているだけで作業ができることです。でも、短所は、電源がないと使えないことです。まだ、欠点が克服できていないうちに更なるアイデアが出てきて、3号機、4号機と進化させることができました。改良に改良を重ねて4号機までできたわけですが、私の最終的な目標はこんなものではありません。「機械洗浄機&分離機の一体型」です。これが私の理想です。各現場でつけ置きしていたものは機械洗浄機で自動的に短時間で洗浄できます。また、その後の汚水も同じ機械にて分離させる。つまり「3ゼロ」になります。  皆様も毎日の作業でまだまだ大変な労力を使い、一日の終わりのころにはクタクタになっていませんか。今の時代にあった方法を私たち自身が考え出さなくてはなりません。メーカー任せでは何も変わりません。私たち一人ひとりが技術者となることが要求されています。私たちの力で技術進化させていこうじゃありませんか。

2012年度技術革新大賞

氏名 渡邉龍史
住所 大阪府吹田市
功績 2011年度、潟Aドバンテックケアから汚水処理技術‘Crio:クリオ’が業界に発表された。あれから1年が経った。汚水処理技術が現場で使われるようになって、現場からは「難しい」「なかなか思うようにいかない」といった声があがってきた。誰にでも簡単に、それほど時間をかけずに修得できるできるレベルまで技術革新する必要があった。これ以上の技術革新は不可能と誰もが思っていた。1人、情熱を傾け、チャレンジし続けたのが同社の渡邉龍史氏である。チャレンジすること10数ヶ月、彼の情熱が奇跡を起こした。
これまで分離を起こすための化学反応の閾値を広げることに成功したのだ。従来は化学反応の閾値が狭いため、なかなか反応のスイートスポットに入ることができなかった。渡邉氏の技術革新によりスイートスポットが大幅に広げられ、汚水技術の普及が可能となった。汚水処理技術を持ちたいという人すべての人に福音が与えられた。これにより、汚水処理技術を持った人たちが多く現れ、やがて汚水処理をして排水するのが当たり前の時代がやってくるでしょう。
渡邉氏の情熱が業界に汚水に対する意識を変えるでしょう。
その功績は非常に大きい。
 2012年度技術革新大賞を受賞して
 株式会社アドバンテックケアの渡邉龍史です。私は汚水処理技術Crioについては当初から革命的な技術だと思っていました。初めて汚水処理を行ったとき、その処理後の水の透明感に思わず感嘆の声をあげました。ある日、いつものように汚水を分離していました。ところが、全く分離できません。汚水である床のワックス剥離後の汚水、汚水に含まれているワックスは半端な量ではありません。ワックスの油分が処理技術の能力を超えて大量に含まれているせいです。いろいろやってみるのですが分離できません。本当に悔しかったです。それからは仕事から帰ってからも毎日実験しました。そして、ようやく剥離汚水でもなんとか出来るようになりました。まだ色々な問題点を抱えていたのですが、発表する日が刻々と近づいていたので焦りを隠せませんでした。それが1年前のことでした。弊社ではこの技術で2011年度の技術革新大賞をいただきました。私の中では、もっと進化させることができるはずだ、させなければいけないという思いがありました。熟練するのに手間がかかるからです。いくら良いものでも手間がかかりすぎては使えません。自分は使えても他の人は使えません。これでは独りよがりの技術、自己満足の技術になってしまいます。さらに1年の歳月が流れました。この間、汚水技術を進化させるために取組んできました。そして、ようやく進化させたものを世に出すことができましたこれにより、汚水処理が「前より簡単にできるようになった」「これだったら出来る」、こういった声を聞いて本当に嬉しいです。一年一年、汚水に対して厳しくなってきています。汚水処理のプラントもまだまだ普及していません。自分達の出した汚水を自分たちが処理する。他社任せ、他人任せにするのではなく、可能な限り自分達で処理する、それができるのが汚水処理技術Crioだと思います。私たち業界で働く者は、汚水を処理せずに捨てるという事はどういうことか、その問題の深刻性を受け留め、各自各社が汚水処理に取組んで欲しいと思います。現在、Crioは手軽に行える汚水処理技術の最先端技術だと思います。皆様の手でさらに進化させてほしいと思います。最後に、日本グリーンハウスクリーニング協会のパブリックメッセージに“Green Technology for Earth & Lives”が大きく掲げられています。この言葉を忘れずに、これからも技術進化に励みたいと思っています。

2011年度技術革新大賞

氏名 潟Aドバンテックケア 代表取締役 加藤俊昭
住所 大阪府吹田市
功績 通常、ワックスの剥離作業、エアコンクリーニング作業などでは強アルカリの液剤を使って作業している。作業後出てきた汚水は、強アルカリ汚水であるため、当然、そのまま流せない。
強アルカリ汚水に酸性液剤を加え、中和させて、液質を中性にして流している。ところが、汚水には溶けたワックスが大量に含まれている。
エアコンクリーニングにしてもエアコン内部に付着していた汚れ物質が大量に含まれている。液質を中性にしても、これら大量に溶けた物質が汚水となってそのまま排出されている。あるものは浄化槽へ、あるものは排水口から直接河川へ、そして、海へ。毎年、何社かは汚水が河川に流れ出て大きな社会問題を引き起こしている。その規模によっては会社が倒産するほどの弁償金が請求されるケースも起きている。原因は業界に汚水処理の技術がないことだ。
潟Aドバンテックケアではこのような現状を憂え、汚水処理技術の研究開発に取組んだ。理想は「現場で出た汚水は現場で処理する」である。同社では 現場から汚水を持ち帰り、スタッフ自らが寝食を忘れ、汚水分離に取組んできた。
2011年、汚水処理技術を‘Crio:クリオ’と名付け、世に出すほどに完成させた。
同社スタッフが研究開発した汚水処理技術により「中和して流すだけの低レベルの処理」から「有機物と水に分離した後、水だけを流す」という高レベルの処理が可能になった。同社ではこの技術を独占することなく、求める人には広く技術指導している。
21世紀は環境の時代である。汚水処理技術なくして仕事を続けることはできない。
同社の功績は大きい。

2010年度技術革新大賞

氏名 兵頭 三男
住所 大阪府大阪市
功績 半世紀以上続いてきた「混ぜるな危険」が常識の業界にあって、初めて「混ぜる」ことを常識にした。これにより、長年、パワーと毒性が比例してきた時代に終止符を打ち、「パワーがあって安全」な液剤による具体的なクリーニング方法が広く普及することとなった。液剤を混ぜることによってパワーアップし、混ぜることによって安全性を高める技術が評価された。